王都妖奇譚&SAKURA&獏狩り

安倍晴明さんつながりと言うことで。はい。

王都妖奇譚

SAKURA

獏狩り


王都妖奇譚

岩崎陽子 コーエー 2002年7月24日 KECHー1214
1.妖変    
2.闇鬼    
3.浄炎
1995年12月21日発売された品が、2002年に安くなって再販されました。今、流通しているのは廉価版の方です。
井上和彦(安倍晴明)、山寺宏一(藤原将之)、塩沢兼人(橘影連)

石田彰(藤哉)、佐々木優子(藤原彩子)、大山高男(左大臣)
引田有美(雲ノ衣)、川津泰彦(源満仲)、中原茂(大宅成章)
中村大樹(物部広高)、麻見順子(晴明(子供))、江森浩子(影連(子供))
菅原淳一(影連の父)
都に近づく禍々しい気があった。幼くして死んでしまった皇子の乳母をしていた雲ノ衣の怨念が、鬼を引き連れて近づいていたのだった。それらの鬼を退治する一団に加わった将之。彼は、陰陽師が大嫌いなのだが、その彼に噂の陰陽師・安倍晴明が「死相が出ている。帰れ」と言うのだった。冗談ではない。自分が晴明の予見を覆す第一号になってやる!将之は、頑として同行するのだった。
他、将之の姉・彩子が何者かによって拉致されてしまった。その影には、晴明の兄弟子・影連の気配が・・。
原作から好きでね。何故か、お弟子さんの藤哉くんがお気に入りで(大笑)、あまり登場シーンがないのが寂しかったのを覚えております。ショタコンの気があるかもしれない・・と当時は悩んだものですよ。はい。
さて、やはり前半の雲ノ衣の怨念と対峙する話よりも、彩子さんが出てきてからの後半のお話の方が印象に残りますね。いや、藤哉くんが出てくるシーンが多いから・・・と言うのではなくて(大笑)。晴明さんが、自分の居場所を皆の中に見いだすシーンや、心の闇に惑うシーン、そしてやはり、宿敵とも言うべき影連さんが出てくるからではないでしょうか??


KOEI BEST SELLECTION 王都妖奇譚

王都妖奇譚 
〜化石の海〜

岩崎陽子 コーエー 2002年7月24日 KECHー1215
1.邂逅   
2.冥夜   
3.潮鳴
1996年8月25日発売の品を廉価(マグノリアシリーズ)版として、2002年に再販されました。
井上和彦(安部晴明)、塩沢兼人(橘影連)

結城比呂(晴明・少年)、緑川光(影連・少年)
広中雅志(賀茂保憲)、増谷康紀(晴明の養父)、溝上真紀子(影連の母)
南民恵(影連・子供)、増田均(公家)、永田一朗(公家)
宇和川恵美(安部家の侍女)、井上隆之(晴明の兄弟子)
西脇保(晴明の兄弟子)、野島健児(晴明の兄弟子)
今村直樹(役人)、堀江恭章(役人)

大塚明夫(良源)、永井一郎(賀茂忠行)
他人には見えない物が見えてしまう。それを知られる事は、他の人から疎んじられることに繋がる。幼い晴明少年は、母の死後、その秘密を隠して生活していた。
賀茂忠行にひきとられる事となり、年が近いと紹介された兄弟子・影連や賀茂保憲達にも同じ物が見える事を知る。そして、陰陽師と言う仕事に興味を抱くようになる。
一方、一族が無実の罪で自決を遂げた時、一人だけ生き残った影連は、一族の恨みを晴らす事だけを誓って生きていた・・・・。晴明と影連の出会いと、別れを描いたCD。
自分一人だけが幸せになるわけにはいかない。一族の恨みを晴らしてこそ、自分の存在意義がある。お母さんもそれを望んではいなかったのに、頑なまでに思い詰めてしまった影連。彼に一生懸命手をさしのべようとする晴明。心の闇が見せてしまう幻の闇。救えない闇に、聴いた後では悲しみだけが残ってしまいます。
さて。この王都妖奇譚は、晴明と将之の友情、そして晴明と影連の愛情と表裏一体の憎悪がメインのお話です。実写版でドラマにもなりましたが(・・・あれは辛かったなぁ・・。CM予告を見て、ドラマのオンエア一度も見ておりません。原作のイメージが失われてしまいますから)このお話は、二人の過去を描くことにより、さらにお話が深くなっていますね。井上さんの幼い頃を結城さんが、塩沢さんの幼い頃を緑川さん(と南さん)が演じておられます。微妙に声の質が違うので、この少年時代役のキャストには賛否両論あるかもしれませんね。どの方も売れっ子さんの有名どころですから。しかし、緑川さんの台詞と塩沢さんの台詞が一部重なるシーンがあるんですね。声の質では違うはずなのに、不思議にぴったりと聞こえてきて、ドキっとしました。
でもでも、一番の聞き応えがあるシーンは、平将門の首が都に運ばれてきた後のシーン。処刑場へと彷徨ってきた影連が、幻の声を聴き「都を血の海に沈める!!」と絶叫するくだりでしょう。後をついてきた晴明が「私が、晴明が共にありますから!」と手をさしのべ、「せい・・めい??せ・・い、めい??」と頼りなげにつぶやくように応えるシーン。本当に心細くて、今にも倒れてしまいそうな影連。あんなに憎らしい敵役なのに、このシーンだけは「ムギュっ」としてやりたくなるくらいはかなげなんですよ。病的なまでに狂おしい影連が、迷子になった幼子に見えてしまいます。このシーンと、影連の看病をしていた晴明が、嗚咽するシーン。この二つを聴くだけでも、このドラマCDは買い!だと私は思います。


KOEI BEST SELLECTION 王都妖奇譚~化石の海~

王都妖奇譚 
妖星〜(前編)

岩崎陽子 コーエー 2002年7月24日 KECHー1216
1.予兆   
2.禍曲   
3.凶星   
4.悲風
1997年1月25日に発売されたものの廉価版です。
井上和彦(安倍晴明)、塩沢兼人(橘影連)

富沢美智恵(小野氷月)、冬馬由美(千早)
勝生真沙子(藤原彩子)、石田彰(藤哉)

幸野善之(源満仲)、増谷康紀(参議)、稲田徹(貴族)
井上隆之(貴族)、坂本正吾(満仲の部下)
増田均(満仲の部下)、西脇保(満仲の部下)

山寺宏一(藤原将之)、永井一郎(賀茂忠行)
晴明は、不吉な夢を見ていた。「約束通りに戻ってきたぞ」と声はするものの姿が見えない親友・藤原将之。
その将之の一度消えたはずの死相が、また現れて消えない。その原因が、兄弟子であった橘影連であることに気が付くものの。影連は、都に災いを呼び込んでしまう。将之は、影連の野望を打ち砕くため愛馬を走らせるが・・・・・・
未来を見通せる晴明。その彼が見てしまう親友の死相。
冥府の役人である氷月や、敵である影連さえもが「関わらせたなら、将之は死ぬ」と明言してしまい。本当ならば、結界の中や屋敷の中に閉じこめて嵐が過ぎ去るのを待つのが得策だと分かっているのだけど。でも、もしも将之を閉じこめてしまったなら、彼の心が死んでしまう。悔いを残した生き方では、将之の心が生彩を欠いてしまう。彼が彼であり、なおかつ自分の親友として生きていくためには・・・・。

もしも、自分なら選べないだろう究極の選択ですよね。・・まぁ、一般ピープルの私には、そういう選択を迫られる事なんてないでしょうけど。
しかも、影連さんと来たなら。その弓を取りに行った者は妨害を受けて危険な目に遭う事、だから晴明か将之しか取りに行かないだろう事。しかし、その弓を射ることが出来るのは将之さんしか居ないことを分かっていて罠を仕掛けているわけです。
都も弟弟子晴明の親友も、どちらも失わせてしまおう!と言う二重三重の罠。その怨念の凄まじさを塩沢さんが、これ以上は望めないだろうほどの熱演で演じていらっしゃいます。
時々、私はこの王都妖奇譚で藤哉くんを演じている石田さんは、まさにブラックな役を演じさせたら天下一品だ!と書いていますが。その上を行きますね。
塩沢さんの場合は、黒いなんて一言で済まないんです。塩沢さんの場合は、まさに暗黒。黒い上に暗い・・暗黒と言う言葉の通りだ!と言われてしまったら、もう返す言葉もないですが。暗黒を声にすると、こうなっちゃうんだなぁ・・と言う感じです(石田さんの場合は、黒いだけで暗くはないですね)。愛馬だけを都に向かわせた将之の前に現れて、その種明かしをしつつなぶり殺しにするシーン。
もう、もう止めて!と言いたくなるほどの迫力です。しかし、ボロボロになりながら都になおも向かおうとする将之。彼が「晴明と約束した」「俺は晴明を信じているからな」「晴明はおまえとは違う」となおも晴明との絆を大切にしているのを知った時、ふっっと切れた彼が「さらばだ・・藤原将之殿」と将之にとどめを刺す声音の怖さと来たなら!!歌うように優しく、軽やかに言いながらとどめを刺してしまうのです・・。影連さんの口元には、微笑が浮かんでいるだろう!!と思えるほどの凄まじさです。
そして、この影連さんと相対する将之役の山寺さんの演技ときたなら。本当に血吐いていません?と思ってしまうくらい、瀕死の状態に聞こえてしまうのです。
山寺さんでは、もう一カ所。影連殿の笛の呪縛に囚われないために、耳栓をしているシーンがあるのですが。その時の会話が、もう名人芸でした。あ、これは何も聞こえていないな・・と言うのが丸わかり。アフレコの時に、本当に耳栓をしてはいませんよね??と思ったくらいでした。

最後に、将之の愛馬に導かれて。原っぱにやってきた晴明が「迎えに来たぞ」と将之の身体を抱えるシーンでは。その抑揚のない声が、晴明の悲しさを物語っていました。
「まさ・・」と一瞬絶句して「将之!」と言う井上さんの悲痛な声が、ずーん・・・と響いております。
井上さんは、他にも雲切り?の呪文を唱えたり。十二神将を放ったりしていますが(先日、少年陰陽師を聴いていたものですから。青龍に朱雀に・・うふふ・・きっといろいろ居るのよね・・と一人でにやついていました)それらのイントネーションに苦労なさったとも聴いています。そうよねぇ・・普通の言葉じゃないですものね。でも、本当に言葉にも力があるなぁ・・と感じさせてくれました。

どちらかと言うと暗いお話になってしまうのですが。冒頭の方の見鬼の才能に恵まれた千早の君を巡るお話。千早さんに、将之が「力がある上に陰険で自信家で、へそ曲がりで神経質でふてぶてしいから、敬遠されがちだが。根は悪い奴じゃない」と、悪口なのか褒めているのか分からない事を言っています。そして、その将之の事を「猪」と面と向かって言う辺りなどは、お互いを認め合った親友と言う感じで、本当にほほえましく思ってしまいます。
でも、実生活でこういう事を言っていたら。きっと険悪になっちゃいそうですよね(^^;。

KOEI BEST SELLECTION 王都妖奇譚~妖星~(前編)

王都妖奇譚 〜妖星〜(後編)

岩崎陽子 コーエー 2002年7月24日 KECHー1217
1.無明   
2.迷魂   
3.炎雷
1997年2月26日に発売されていた品と内容は同じです。
井上和彦(安倍晴明)、塩沢兼人(橘影連)、広中雅志(賀茂保憲)

富沢美智恵(小野氷月)、冬馬由美(千早)
勝生真沙子(藤原彩子)、石田彰(藤哉)

吉水孝宏(従者)、西脇保(従者)、北川美砂緒(女官)
私市淳(陰陽寮の弟子)、永田一朗(陰陽寮の弟子)
今村直樹(牛頭鬼)、増田均(馬頭鬼)

山寺宏一(藤原将之)、永井一郎(賀茂忠行)
親友・将之の遺体を前に、蘇生・反魂の術を行うべきかどうすべきか、迷いに迷う晴明。その迷いが、彼から呪力を奪い去ってしまっていた。
陰陽祭のために、都に戻ってきた兄弟子・保憲や千早の助力もあって、晴明は力を取り戻し、術を行うのだが・・・。
だからぁ、そういう時には「役不足」は使わない!!と言いつつ(どうもねぇ、引っかかる時には引っかかるものですよ。仕方ないよね。一度気になり始めると、もうどうしようもないですから)それを言ったのが、影連殿だったので、もう今回は、突っ込みはなしで>って、書いてしまえば突っ込み入れているようなものじゃないか(大笑)。
さて。前編の最後で、無念の最期を遂げてしまった将之。死相を見ながら、それが影連殿がもたらす(どうしても、呼び捨てに出来ないの。殿を付けてしまうのは、許して下さいm(_ _)m)災いからだと知っていて、彼を行かせてしまった晴明。陰陽術の究極の奥義にして、自然界の摂理に反するため、それ相応の呪力も要する秘術中の秘術「蘇生・反魂の術」を行うべきか、どうすべきか。
行わないとするなら、将之の遺体は遺族である彩子達の元に戻さねばならないのだが。彼は、そのどちらも選ぶ事が出来ずに一人で悩んでいます。この時の展開が、もう苛つくほどじれったい(大笑)。周囲の氷月や保憲の気持ちが、よく分かる(大笑)。だって、それを行うに足る力を持っているなら。彼を失って辛いのなら、さっさとやれば良いじゃないよ。何を悩む事があるんだろう??・・・と言うのが、おそらくは見ている方や聴いている方の反応になるからだろうと思うのです。
しかし。まぁ・・・確かに。それまで、その能力故に人と相容れぬ存在ではないか?と自分の能力の高さを疎ましく思っていた晴明だから、自分の欲望に忠実に術を行って、自然の摂理に反する事を行って良いのか?と悩んでいたのでしょう。だからこその晴明なのでしょう。これが、自分の力を好き勝手に利用して行動し、悩む事さえしなかったなら。その時点で、彼は悪魔や鬼に相当すると思うのです。
お話としては、原作を読んだのがかなり昔なので。あら?こういう感じになったっけ?あらぁあああ??状態でしたが(^^;。
とりあえず、影連殿の都への想いや憎しみは、今は晴明に向けられてきていて。今後もいろいろありそうだけど。将之や周囲の人が健在であり、晴明も心を強く持つ事が出来るから。きっと影連殿の企みはいつか潰えると思えるぞ・・と言う終わり方になりました。
お話の中では、千早が晴明に「皆、自分勝手なのですわ」と諭す所が好きでしたね(^-^)。
かつて、龍神を自分の身に下ろした後。何かあったら、自分を殺してくれ!と頼んだ自分の願いは、なんと自分勝手だったのか・・と思い知った晴明。でも、皆が皆、自分が一番可愛くて、自分勝手に生きている。
自分は死んでいるくせに、晴明を頼むと伝言に来た将之も、疫神に取り憑かれたとしても晴明が何とかしてくれるだろうと思った千早も、晴明の記憶を奪ってでも、祭りを行いたかった保憲。相手の事を思いやったりする行為や思いですら、自分の為・・・。もっともらしい理由をつけても、そういう事。うん。そういう事よね(^-^)。
ただ・・・お話のクライマックス?で、将之が戻ってきたところがね、何か唐突過ぎて。ちょっとびっくりしました。
まぁ、甦ってきてしまうものですから。その後のセリフでは、結構「無茶言うなよ」と言うか「それ、言い方・・・変」と突っ込みを入れたくなるような物が多数ありました。
「よくも、俺を殺してくれたな」「お前もいっぺん死んでみろ!」(いや・・一度しか死ねないし・・普通は・・・(^^;)などは、その代表でしたね。

ベテランの永井さんが、要所要所で締めていらっしゃるのは当然の事ですが。今回は、愛弟子晴明を突き放すシーンがこたえました。晴明をかばって、疫神に取り憑かれてしまった千早。その疫神を追い出す術を行おうとする忠行に晴明が「お手伝いを!」と申し出た時の一言。愛あればこその師匠の一言だなぁ!!と言うのが伝わる突き放しなのです。
女性陣で唸ったのは、勝生さんでした。晴明に、もしもの時にはお覚悟をと言われて「馬鹿な弟が、本当にお世話になりますね」「将之をお願いします、晴明殿」・・・凄く辛いんですよ。馬鹿と口では言いつつ、馬鹿と思っていないんですよ>お姉さん。弟が可愛いのに、それを口に出して言わないんですよ。その心の揺れが、声の震えになっています。

井上さんと塩沢さんは、もうどこをとっても素晴らしかったですねぇ!!(^-^)。何も言えません。
しかし、そう言ってしまうと。感想にならないので(大笑)、書くとするなら。

保憲殿に2年分の記憶を封じ込まれてしまった晴明。その態度は、いつもと一緒に見える・・と言わしめるものですが。声のトーンが、非常に淡々としていて、これっぽっちも感情がない。千早に対する時のセリフの温度差を聞き比べていただくと、その差は歴然としています。2年前・・・将之と知り合う前の晴明は、ただ黙々と仕事を片づけるだけのマシーンのようなのです。
それまでは、力が尽きてしまって無様に倒れようとも・・と言う思いで、幾多の呪法を行ったであろう晴明が、千早から出た疫神を封じ込めようとした時。初めて「いや、敗北など認めぬ!!私は勝つ!」となった時。彼の中の迷いは、おそらく消えたのだろう・・と思えるほどです。
そして。生き返らせた将之の身体に入ったのが、鬼の魂。鬼の魂を払ってしまって、この手で殺すために甦らせたのではない!!と叫ぶシーンも捨てがたいのですが。やはり、影連殿との対決が凄いですよ。
「憎しみが、心が分かるか?だと?分からぬ!分からぬ!分からない!分かりたくもない!!貴方が、影連殿が憎しみのために生きただと?違う!逃げたんだ。逃げただけだ!」とズバリと言いはなってしまった晴明の指摘と、鬼となっても、影連殿を倒す!と宣言した後の呪文がね、もう破壊力が凄まじい!!
クールに見える晴明に、こんなにも憎しみや迫力があったのか!!と思えるほどです。

そして、「少将、晴明を切れ・・・」といともクールに淡々とした声音で、怖い事をおっしゃる影連殿。
彼が一番望んでいるのは、都に対する復讐でもなんでもなくて。兄弟弟子であった晴明に、自分を滅ぼして欲しい!自分を止めて欲しい・・これなんだろうな・・と思える塩沢さんの影連殿。
影連殿は、塩沢さん以外の方は想像が出来ないほどです。

ところで。最後のトラックで、晴明が自分は85歳で老衰で死ぬと決めている・・と語るシーンがありますが。ふと、その時には可愛い孫に囲まれているのよね(大笑)と、別のお話を思ってしまった私が居たことを正直に報告します(^^;。

KOEI BEST SELLECTION 王都妖奇譚~妖星~(後編)

SAKURA〜雪月華〜
ドラマCD第一幕 邂逅

サーカス RIO 2004年11月25日 RIOー001
第一場「不安と違和感」
第二場「夏に咲く雪」
第三場「忍び寄る呪詛」
第四場「曖昧な境界」
堀江由衣(草薙小雪)、野川さくら(月島円)、水樹奈々(九十九奈々)

石田彰(草薙誠)、置鮎龍太郎(田原秀樹)、田村ゆかり(出雲明日香)
氷上恭子(深海優子)、豊嶋真千子(酒桝十和子)、子安武人(深海慎)
ゲーム「SAKURA〜雪月華〜」の後日談。平安編の人物達の転生した姿である、演劇部のメンバー。
かつて自分たちで演じた劇で、過去の一部を取り戻したものの。全てを思い出したわけではなく。不安に駆られた(安倍晴明の現世の少年)草薙誠は、第二弾の劇のシナリオを書くのだった・・。
一番の違和感は、平安時代の晴明の事を式神の少女が「まさくに様」と呼ぶことでした。何故に二つ名?と思っていたら、この晴明さんと言うのが、所謂私たちが一般的に?知っている平安時代の狐の血を引くのでは?とウワサされた晴明さんではなく。
平将門の息子・平将国で、母・葛葉の差し向けで陰陽寮に入り込み「安倍晴明」を名乗っている・・・と言う設定なのです。

陰陽師としての実力があった・・と言うのは、このお話でも同じようですが。
父・将門を討った仇である藤原秀郷が持つ刀・草薙剣の封印を解く鍵となる少女が雪。晴明を心を通わせたものの、自分の宿命を知った雪が命を落とし・・・と言うお話が先にあるようですね(^^;。
そして、この現代の高校・演劇部の生徒さん達は、それぞれにその平安時代の人々の転生した姿。雪の転生が小雪であり、晴明の転生が誠くんとなるわけですが。
誠くんが書いた第二部とも言うべき、雪が死んだ後の晴明のお話が今回の劇の舞台となっています。

こういう設定事項を書いた理由は・・・はい、もうおわかりですね?石田さんがご出演だったから買いました。ゲームはプレイしておりません。
その時に私が知っていたのは、晴明や彼が想いを寄せた女性が転生を繰り返し、お話が続き。今現在の晴明の転生の姿であると言う設定だけだったので。
「ほほぉ・・石田さんって、本当に晴明話には縁がありますねぇ・・」くらいのもので。
彼が過去に悩んで、劇のシナリオを書いて。そこから過去と現代が融合したドラマが持ち上がる!かな?でしたから・・。

まぁ・・晴明さんの設定が、他のお話とは違っているとは思いませんでしたわ(^^;。
しかもね・・・過去の晴明さんの声は子安さんだとは知っていても。劇で演じている部分は、石田さんなのかな?と思っていたら。
劇として演じている部分は、思いっきり過去の事実と言う形で出てきているので(つまりは、晴明は子安さん)、このキャスト表には過去の人物の名前も書かないと拙いかな?などと別の観点で悩んでしまいました(^^;。
だってさ・・誠くんが思い出すと言うよりも、過去の別のお話って感じなんですもの(^^;。

でもねぇ・・・なんとなくですが、本当に誠くんは晴明さんで良いの?って思うんですよね。いや、声が過去の晴明さんが子安さんだから・・・と言うからではなく。今回出てきた晴明さんの弟。封印されたはずの刀を持って、僧侶殺しをしている人の声が石田さんだったでしょ?呪詛をかけたのも、おそらくは彼・・
しかも、過去と現在が融合した時に「一体・・・」となった場面で、一抹の不安が残ってしまいまして。
まさか、PSゲームやパソコンゲームの主人公の設定を覆す事にはならないとは思いますが・・さてはて・・。

ただ、個人的には。自分の過去の記憶なんてありませんし。誠くん達の気持ちは到底分かりませんが。それでも、どうして過去に囚われるかな?と思ってしまいましたわ。だって、まだまだ前途の多い若者でしょ?
気になるのは分かるとしても、そこから何かが始まるわけじゃないじゃない?と思ってしまいまして。なんなんでしょ・・・と言う気持ちなんですよね・・すみません・・・内容の感想にはあまりなっていませんねm(_ _)m。

SAKURA〜雪月華〜
ドラマCD第二幕 永別

サーカス RIO 2005年1月25日 RIOー002
第一場「拭えない疑惑」
第二場「揺れる心」
第三場「黒き闇、白き雪」
第四場「星夜の誓いと・・・・・・」
堀江由衣(草薙小雪)、野川さくら(月島円)、水樹奈々(九十九奈々)

石田彰(草薙誠)、置鮎龍太郎(田原秀樹)、田村ゆかり(出雲明日香)
氷上恭子(深海優子)、豊嶋真千子(酒桝十和子)、子安武人(深海慎)
過去の記憶を鮮明に甦らせたい誠。しかし、彼が晴明を演じているうちに。何かが変化してきているのだった・・・
劇の中止を訴える小雪は言う「お兄ちゃんは、誰を見ているの?私はお兄ちゃんだけなのに!」
ゲームをプレイしていないから、こんなにもややこしいのでしょうか?
と言うか・・現代の彼らと過去の彼らを別々の声優さんが演じている事自体が、ややこしさの一因になっている気がするのですが・・。
私の頭の中には、思わず「ややこしや〜」と、某芸人さんが出てきてポン!となってしまいましたわ(時事ネタです・・なだぎさんとおっしゃる芸人さんの持ちネタです)。

誠が演じているのは、過去の自分である晴明。
しかし、過去の晴明は子安さんで。誠の石田さんは、過去の世界に於いては晴明の弟のよしかどさん?だし。女性陣は、過去には名前の変化があるくらいで、転生する前と後ではそう変化はないのも困ったちゃんの一因です。
だから、このドラマCDのキャスト表記で。過去の部分(って、今回の2巻はほとんどが過去・平安時代が舞台になっているのですが)の名前とキャストを表記しておいてくれたら、まだ良かったんですよね・・。その前に、こういうCDはゲームをプレイした人が買うのが前提だとしても。誰が誰の生まれ変わりくらい書いておいてくれても良かったのにねぇ!!

このドラマCD3巻購入しての全員プレゼントサービスで、ゲーム体験版を持っていますが。その体験版の本によると。平安時代だけではなく、まだ他の時代に転生してのお話も沢山あるんですね。
で・・例えば、Aさんが転生した姿がAダッシュさんだとすると。同じ声じゃないのよ。同じ人物が転生するんだから、同じ声で良いと思うのに、別の声優さん・・・となっているので。
晴明の転生が、現代では草薙くんなのに。平安時代は子安さんで、現代が石田さん。しかも、石田さんは平安時代は別の人を演じているから、ひょっとしたら晴明の転生と言うのは嘘で。石田さんが演じる草薙くんの前世は、晴明の弟だったんじゃないの?なんて疑って聴いてしまうから拙いんですよね・・。
それなら、すっぱりと現代と過去とまるで違う声優さんで配役しちゃえば良かったのに!!
でもまぁ・・諸悪の根元(゜゜)\バキッ☆となった平安時代の一番最初・・物語の始まりだけで良かったぁ・・。これで、他の時代もドラマCDになっていたら。もっとグルグルして叫びだしていたと思いますもの(大笑)。

それにしても。本当に聴いていてグルグルするCDです。今更ながらに、このCDのキャストコメントが残されているサイトさんで。キャストの方々が「ちゃんと聴いていないと、分からなくなる」とコメントを寄せていらっしゃるはずですわ・・・・(^^;

SAKURA〜雪月華〜
ドラマCD第三幕 魂祓

サーカス RIO 2005年3月25日 RIOー003
第一場「絡み合う意図」
第二場「浄化の雪」
第三場「日常への回帰」
第四場「もうひとつの雪月華」
堀江由衣(草薙小雪)、野川さくら(月島円)、水樹奈々(九十九奈々)

石田彰(草薙誠)、置鮎龍太郎(田原秀樹)、田村ゆかり(出雲明日香)
氷上恭子(深海優子)、豊嶋真千子(酒桝十和子)、子安武人(深海慎)

獏狩り

市原敬子 TMA企画 TMABAー0001 2006年6月23日
置鮎龍太郎(朔夜)、進藤尚美(胡蝶)

斎賀みつき(八神彰人)、氷上恭子(水無瀬マナ)
子安武人(八神春彦)、堀内賢雄(安倍晴明)
緑川光(伯奇)、甲斐田裕子(陽子/琴乃)
櫻井孝宏(木下悟)、小林ゆう(女子生徒)
波多野渉(男子生徒)、鶴岡聡(古文の先生)
人の夢を食べて生きる獏。その獏である伯奇に、大事な琴乃お嬢様を殺されてしまった朔夜。彼は胡蝶と出会い、悠久の時を生きて獏を狩る存在となった。
憎むべき伯奇の名前を聞いた朔夜は、獏に襲われていた少年になりすまして高校に潜入するのだった。
TMA企画は、東京メディアアカデミーの事なのでしょうか?
この1では、TMA企画・・ふぅん、そういう会社があるんだ・・くらいでしたが。
2では、生徒さん?と思しき方が沢山出演されています(お名前の読みを確認する時に、ネットで検索をしたら。生徒さんでヒットして気が付きました(^^;)。
学校ガヤで、今回は出ていらっしゃるのかなぁ??

さて。この「獏狩り」は、かなり特殊なCDとなります。漫画である原作と内容の同じドラマCDが、セットになっている。
当然?と言いますか。ドラマCDを聴く前に漫画の方は読んでいますので(これが、小説付属のCDだったら。聴く前に読むかどうかは分かりませんけどね)、内容は分かっていますが。微妙に漫画とは違う台詞や、膨らんでいるお話に感動する事になります。

今回、一番感じたのが。音でしか演出出来ないものと漫画で演出出来ること・・でした。
絵では説明の要らない部分にドラマCDでは「鎌に姿を変えた!」などの解説?的台詞に「あ。・・そうよね。漫画を見ているから、どういう場面かは分かっているけど。確かに、このシュルルって音だけでは。鎌は分からないか・・」などの、動きのある漫画をドラマCDにした時の宿命はもちろん、静のシーンでも漫画ならではの物がありました。
朔夜の回想シーンで、お嬢様が伯奇の所に駆け寄っていくシーン。遠目に見た伯奇の目の妖しさ(台詞はなしなので)は、漫画ならでは。
しかし、「せめて行き先だけでも!」とすがる朔夜が、お嬢様に叶うことがない恋心を抱いているぞぉ!!と言うのは、台詞の方がより伝わってきます。
晴明様を慕う胡蝶にしても、漫画よりもドラマの方が切ない・・。一緒に眠る事を夢見てきたのに。その慕う晴明から、獏を滅ぼすように言われて泣きじゃくるシーン・・。
はたまた。獏に夢を吸い取られてしまった木下くんや、陽子さん達のうつろな乾いた笑いも、その衝撃の強さを物語ってくれます。
これらは全て、声優さんの力量に負うところが多いのではないか?などと思っておりました。

晴明様役の堀内さんと、伯奇役の緑川さんは。あぁ・・もったいないかなぁ・・。折角、緑川さんは伯奇を是非!と望まれて演じたにもかかわらず、出番少ないし・・・(゜゜)\バキッ☆。櫻井さんも、漫画で読んでいたよりも出番は多かったのですが、多いとは言えないし。
置鮎さんと進藤さんは、叶うことのない恋心のシーンでズキュンと来ましたが・・。
個人的には、子安さんの憎々しげで気持ちよさそうな演技の悪役CD!!と言う印象が一番ですね。

もんの凄い悪役なんですよ。人間と共存したい獏である斎賀さん演じる弟の制止を振り切って、生徒達の夢を吸い取っている獏。
その笑い声から、声音の冷たさ・・。あぁ・・絶対にこれは、子安さんは楽しんでいるに違いない!!と思って聴いていました。子安さんが出てくるシーンは、全部がお勧めです。
子安さんファンの方は、このCDは買って損はない!です。ただ・・悪役で最後には殺されてしまうから・・。それだけを覚悟して聴いてね!(^-^)。

獏狩り 天津神篇

市原敬子 TMA企画 TMABAー0002 2007年4月27日
置鮎龍太郎(朔夜)、進藤尚美(胡蝶)

柚木涼香(天津神静音)、石田彰(天津神六鬼)
斎賀みつき(八神奈月)、緑川光(伯奇)
甲斐田裕子(琴乃)、榎本温子(美里)、伊藤静(川島)

石並良輔、佐藤達也、代永翼、犬飼智仁
中後めぐみ、岩見彩香、湯浅涼子、漆原沙織
渡辺彩乃、安谷史織、西村紗保子、横山由里、???
偶然に出会った獏の少女・天津神静音。彼女は、自分が獏だと言う意識も記憶もなく過ごしていた。
獏は、良いものであっても何であっても狩らねばならない!とする朔夜との戦いの中で、封じられていた記憶の一部を思い出した静音は、兄と共にこの街を出ることを決意するが・・・・
1巻の時にも書きましたが、このドラマCDは特殊な形で販売されています。つまりは、原作となっている漫画が同梱されているのです。当然、ドラマCDを聴くよりも先に漫画を読む事になるのですが(小説ならともかくも・・って、1巻と同じ事を書いてますね(^^;)。
今回は、(感想を)溜めている間に3も発売されて。2の漫画とドラマCDだけでは、分かりにくかった事がいろいろと判明しています。

つーか・・・次があるかどうか、分からない世界なのだったら(時々、本当にここで終わってどうするよ!?と絶叫するような作品が増えていますからねぇ)お話の設定とか、謎と言うのは先送りで解明しようとはせずに。或る程度分かりやすくお話を作ってくれないかなぁ?
1巻で登場した子安さんと斎賀さんが演じる兄弟の獏は、八神と言う一族で。獏の世界・・縄張りでの御三家とも言うべき一族のようです。
後の二つが、今回登場した静音が属する天津神の一族。そして、六鬼が養子に入る前に居た家の国津神(六鬼は、その純潔の血故に養子に迎えられた・・と一言だけ説明が入っています)の一族。
そして、六鬼の身体の中に居る鬼祥は、平安時代に伯奇の娘であった国津神の息子(つまりは、伯奇の孫?)で強い力を持っている・・・。鬼祥が、祖父?である伯奇を憎く思っている理由は3巻になりますが。それらが分からない事と、漫画では一こまだけ描かれている六鬼が社の中に囚われていて、静音によって外に出されたらしい事は、ドラマCDだけでは分からない事になってしまいます。
まぁ、元々があまり原作を読まずにドラマCDだけで勝負!の私ですので。そういうのは慣れていますが・・。

六鬼が、どうして静音を攫って?育てて一緒に生きているのか?などは、どっちにしても分からないですねぇ・・。六鬼は、天津神に養子に迎えられているわけだから、静音と同じ一族になっちゃうわけで・・。それを他の一族である八神さんに、六鬼に攫われてから行方が分からなかったの!なんて批判される必要もないでしょう?
八神一族の縄張りに入ったから!って言われるのにねぇ・・。

まぁ・・そんなこんなで、お話としては突っ込み所満載というか・・深く考えると、いろいろと出てきてしまうので。あと二つだけ。
この作品に於いて、獏って一応は神と言うか妖怪になっちゃうので・・・ある程度成人になったら、年は取らないのね・・それを把握してないと、漫画における六鬼の姿が(静音は成長しているのに)、ずーっっと着物を着て同じ(大笑)なんですよねぇ・・静音が、どうしてその事実を変だと思わないのかねぇ?
そして、彼ら獏が食べる生体エネルギー(魂と言うよりも夢)と言うのは、将来に対する夢や希望だけじゃなさそうですね。過去の想い出や恋心も夢と呼ばれていますので。人が前向きに生きる上で、必要なエネルギーと言うところかな?と思います。
でなければ、単に夢と言ったところで。夜に開く夢から、妄想から(大笑)いろいろとありそうですからねぇ・・。いや・・妄想は、いくらなんでもゲテモノとして、獏も食べてくれないに相違ないですが・・。

2巻は、獏らしくない獏である静音の恋心と、彼女の存在に「良い獏は狩りたくない」と心を痛める胡蝶。獏は獏だ!と、100年前の私憤を引きずっている朔夜。そして、鬼祥との契約と静音への気持ちで揺れる六鬼・・・それらが絡み合って、胸が締め付けられるようなラストシーンになだれ込んで行きます。

同梱されているコミックには描かれていない、朔夜と琴乃お嬢様のエピソードは、朔夜のお嬢様への気持ちを再認識させてくれます。まだ憎しみに駆られていなかった朔夜と、現在の冷たい心の持ち主となってしまったかのような朔夜の差を置鮎さんが演じています。
相方の胡蝶は、進藤さん。関西弁で、一生懸命にサポートして。持ってしまった心故に苦しんでいる胡蝶・・・普段使わない方言に気持ちを乗せるのは、大変でしょう。ご苦労様でした。
そして、今回のヒロイン!!の静音の柚木さん!いやぁ!可愛い!!こういう妹が欲しいわぁ!!一途で、純真で。私、結構悋気しちゃうので(大笑)、石田さんにこなかける女性声優さんって(役だと仕方ないのですけどねぇ)意地悪く見て(あ、聴いてかな?)しまうのですが。柚木さんなら許す(って、偉そうにねぇ・・この基準って、分からないから不思議ですけど)。
しっとりと落ち着いたトーンの敬語使いの六鬼さんと、ケダモノのような鬼祥。そして、過去の六鬼とまるで3役!をきっちりと演じて下さった石田さん。漫画には描かれていなかった、六鬼さん反撃!の戦い。漫画ではあっさりと弱かったので、その分がドラマCDは聴き応えがあって嬉しかったです。3巻の鬼祥だけのお話が、ますます楽しみになってきました(^^)v。
まだ、いろいろとありそうな伯奇の緑川さん。伯奇が口にする桜の君・・は、果たして琴乃お嬢様なのか?別の誰かであるのか?彼の過去に焦点が当たる3巻に期待したいと思います。

獏狩り 3 夢桜

市原敬子 TMA企画 TMABAー0003 2007年11月21日
置鮎龍太郎(朔夜)、進藤尚美(胡蝶)

緑川光(伯奇)、甲斐田裕子(綺子姫・琴乃)
田中敦子(国津神)、斎賀みつき(八神)、堀内賢雄(安倍晴明)
代永翼(帝)、諏訪部順一(満長)、柿原徹也(鴉)、石田彰(鬼祥)

後藤祐希、西玉得真子、塩田真美、篠塚由起子、佐藤達也、山口梓
人の夢を食らう獏。その始祖である伯奇。平安時代に於いては、帝の悪夢を食べることで平和を守ってきた神であった彼が、何故人から追われる身となったのか?その顛末を描いた平安篇と。
獏や伯奇に対して、憎しみを募らせる朔夜。彼が愛したお嬢様と伯奇の関係とは?を描く過去のお話2本立て・・・
1巻と2巻で、さりげなく入っていた「琴乃お嬢様の死によって、朔夜が獏を憎むようになった」お話(琴乃お嬢様を殺した犯人が、伯奇ではないだろうと言う予想も含めて)は・・・まぁ、想像がついていましたが(大笑)。
まさか、そのまた過去の平安時代にそういういきさつがあったとは!でしたね。

2巻において。八神奈月さんが、戦ったシーンで。桜吹雪を使うシーンがありました。それも何か獏としての力なのかな?くらいに思っていましたが。
そもそもは、伯奇が妻に迎えた桜の君が。神として永遠を生きる伯奇とは違って、儚く亡くなる前に。自分を思い出して!として残した能力だったのですね。だからこそ、伯奇はもとより。彼の子孫である八神さん達も使えた・・・と言うわけで。
ほほう・・・なるほど。
そして、その桜の君の転生が帝の妃となり、子供を宿してしまった綺子姫。呪詛によって命を奪われた綺子姫(桜の君)の転生が、琴乃お嬢様。
琴乃お嬢様は、綺子姫の時に添い遂げることが出来なかった分も伯奇に惹かれてしまっている・・・うわぁ・・これだったら、朔夜くんの出る幕がないんとちゃいます?(って、何故関西弁で突っ込みたくなるかなぁ・・置鮎さんキャラだと関西弁が似合うのに、朔夜くんは標準語だから??あれ?)

先祖帰りではないですが、伯奇と一緒に生きる!と思った琴乃お嬢様は、鬼祥の攻撃を無効にしてしまう。。
自分の子孫が、愛する人を倒そうとして、術を使うことを良しとしなかった為だとは思いますが。そのために、鬼祥の怒りを爆発させて。人である琴乃さんが叶うはずもなく・・・と言うのが実際でした。

しかし。その鬼祥を産んだのは、伯奇の娘である国津神。って事は、トークでは田中さんが石田さんのお母さん役!と言う話題が出ていましたが。じゃあ、緑川さんは石田さんのお祖父ちゃん(大笑)って事になるのよねぇ・・・どなたもそこを突っ込まないのが寂しかったです(大笑)。
国津神も、人に恋した時もあったのかしらね?弟・八神(これで、今ある獏御三家(゜゜)\バキッ☆の名字は、彼らの名前から来ているのだと言うのも判明しましたね)が、水無月の姫に恋したのを見て、人間の寿命は短いのに・・とため息をついています。
国津神だって、悪い人?獏じゃなかったのよ・・過去のそういう経過から、人に対して一線を引いていた状態だった国津神が、とことん人を憎む存在となったのは・・それは人のエゴが原因。

人に協力していた神である獏一族。なのに、その恩も忘れて人は彼らを蔑み、そして陥れ。朝廷貴族の陰謀で、無実の罪をかぶせようとした・・・。
声をかけても無視する。あの真っ赤な目が恐ろしや・・あぁ、我らも呪われるに違いない・・と聞こえよがしに悪口を言って、差別をする・・陰険な貴族様世界では、さもありなん!!(って、別に平安時代に生きていたわけではないので。貴族世界が陰険と断定するのは、私の思いこみ以外の何者でもないのですが。でも、江戸時代末期とかの時代劇などを見ていても、その他の貴族を描いたドラマを見ていても、なぁんとなくオープンではない陰険な苛めが横行している世界に見えません??)
その貴族様達の描写が、いかにもいやらしくて(大笑)・・あ、これ褒めてますから・・・こんな中で、人と共存していけると思うのは、あまりにも人びいきが過ぎますぜ・・って私でも思ってしまいます。

その貴族達を裏で操っていたのが、満長さん・・・うは・・彼が貴族として成り上がる時に、こういうのあったかなぁ?一応、実在の人物なんですけど。悪役にしちゃってOK?
また、この満長を諏訪部さんが、本当に憎々しく演じて下さって・・・悪役はこうじゃなくちゃねぇ(大笑)。
ところで。諏訪部さんは、大正時代?篇(明治かなぁ)で鬼祥の手下の役を演じていましたが。彼は、その後どうなったんでしょうねぇ?鬼祥の側に、自分だけは居ます・・って言っていましたけど。キシャーと言う獏さん特有の叫び声を上げての戦いのシーン、期待しますよ(大笑)。
お話的には、この明治?大正篇から、100年後の今まで朔夜は伯奇を追い続け。胡蝶とのコンビを続けているわけで・・。
現世では、琴乃お嬢様や帝は、どう転生しているのかしらね?そろそろ転生していても、おかしくないと思うんですけど。果たして、晴明の転生も存在するのか?など、また新たな疑問なども出てきました。
まぁ・・・1はともかく。2で、歴史的な広がりを見せているものの。今一つ「??」が多かった事が、今回かなり解明されていて一安心です。
声優さんでは。この前作の2で、お名前を知った代永さんが、役名がついた!と言うのが一番。可愛らしいお声の方で。明治?大正篇での婚約者として登場した時に、えぇ?子供じゃないのぉ?と思ったのは、ここだけの話です。
綺子姫と琴乃お嬢様・・のキーパーソンを演じた甲斐田裕子さんは、先日クリアした任天堂DSでローザの声を演じていた方ですよね?DSの音声は、やっぱりちょっと未熟なのかしら?声が割れると言うか、お姉さん!!と言うイメージで聴いていましたが、ここでは本当に可憐なお姫様でしたわ(^-^)。うん、やっぱりDSの音が悪いと言う事で(大笑)。

やっと、過去を描いてもらって。セリフの量が格段に増えた伯奇の緑川さん。何時ものつもりで、出番が少ないと台本チェックを始めたら、どんどん折り目を付けるページが増えてびっくりした!と語られています。
確か、1が発売される前に。伯奇は緑川さんに是非!と言う声があったそうですね。その頃から、こういう役設定があったのでしょう。永遠を生きながら、愛しい人の面影を求めている寂しい獏。4の情報はまだ届きませんが、彼にも永遠の安らぎが訪れると良いのですが・・・・

獏狩り 4 神和篇

市原敬子 TMA企画 TMABAー0004 2009年3月27日
置鮎龍太郎(朔夜)、進藤尚美(胡蝶)

緑川光(伯奇)、斎賀みつき(八神奈月)
甲斐田裕子(桜の君)、石田彰(六鬼・鬼祥)
代永翼(神和玲)、諏訪部順一(傀)
子安武人(八神春彦)、岩村琴美(八神真冬)

武藤広岳、倉持竜也、上島照央
馬場佳代子、堀口あすか

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